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BULK HANDLING NEWS #1/2022

世界がいま必要なのは、より高い効率性

より高いカーゴハンドリング能力、より少ない待機時間は世界のグローバルサプライチェーンでの現在の多くの問題から救う事となります。Bruks SiwertellのセールスダイレクターであるPer Hanssonが高い貨物処理能力がいかに手助けとなるかを説明しております。

TEXT Per Hansoon
PHOTOS Bruks Siwertell and Shutterstock

海上輸送での貨物レートは最近急騰しており、物流業界以外の一般の人々もこの問題を耳にしているでしょう。2021年末に向け、一般誌の論説には買い物客に早期に休日用の品物の購入する事を推奨するものまで現れております。港湾の混雑又はジャストインタイムのサプライチェーンでの障害に対策を講じる事が必要といえます。コンテナ部門では、40フィートコンテナ1本当たりUSD20,000 という驚くべき料率で積載する船舶もあります。

ドライバルク部門での運賃が同様に急騰している事は偶然ではありません。コンテナ船舶ほどバルク船舶が混雑状況に巻き込まれている事はありませんが、利用可能性が減少している事は事実です。独立シップブローカーであるSimpson Spence and Young(SSY)のデータによると、中国での国内での石炭生産が不足していた2021年の4月から9月の間に、オーストラリアのニューキャッスルから中国の青島までの石炭貨物は約35%も高騰しております。

一方で同様の期間内に、中国でのオーストラリアからの鉄鉱石の調達コストは85%といった脅威的な増加であったとSSYは述べております。更に2021年8月にLlyod’s List Intelligenceは約6%に相当する世界のバルク船舶が中国沖で待機のため停泊しているとレポートしております。このような著しいレベルの輸送能力が利用できないことで船主が利益を得る事もありますが、取引上の貨物を必要な場所で入手できない人達にとって、決して望ましい光景ではありません。

高い処理能力の重要性

道路渋滞では、より前方にある車両が速度を上げて進んでいくのに比べ、より後方の車両は停止したままとなります。物流チェーンが現在経験しているのは同様の内容といえます;港湾は開かれ、船舶からの荷下ろしが行われていながらも、Covid-19がサプライチェーンに与えた甚大な後遺症は過ぎ去っていきません。ジャストインタイムでのデリバリーは全てが動いている場合は優れたものですが、港湾のオペレーターは現在システムの障害を取り除くべく過酷な条件で働いています。今現在、多くの人がより高い処理能力を望んでいる事は間違いないでしょう。

現在の状況はBruks Siwertellのドライバルクマテリアル用のハンドリング機器が正に当てはまる状況と言え、積み荷又は揚げ荷役のため待機している船舶から市場を先導する高い能力で救済できる潜在性があります。例えば、台湾のMai Liao発電所では、5台のレール移動型ST 790-D型Siwertellスクリュー型シップアンローダーが各2,000 t/hの能力で石炭を荷揚げしており、船舶の長さ方向に移動しながら揚げ荷役を行なっております。典型的に2台1組となり、約180,000トンのバルク船舶に対し荷揚げ作業を行います。

揚げ荷役に対しては、天候、風速又は港湾能力といった数多くの要因が影響を与えます。しかしながら、この能力の2台のSiwertellアンローダーは平均して60から65時間以内に荷役を完了します。

2021年末にLloyd’s Listは約600隻、又は53百万DWT相当のバルク船舶が中国の港湾内で待機しているとレポートしております。当然、船舶からの荷役能力はドライバルク物資の種類によって異なりますが、いくつかの数値を見てみましょう。例えば、2,000 t/hの荷役能力は理論的にこれら全ての船舶を35,500時間で空にできる事となります。これは1,479日間に相当します。これを30 日以内に行う事を望む場合、49台のシップアンローダーが必要となります。能力を2,400 t/hに増強した場合、40台のシップアンローダーが必要となり、3,000 t/hの場合、32台となります。Mai Liao港で全ての船舶を受け入れた場合、待機船舶からの荷役を294日間で行う事となります。

Mai Liao港での設置例は極端なものですが、独特のものではありません。Siwertellのシップアンローダーは中国の港湾の多く、又は世界中の港湾で採用されています。これらの各港湾に数台追加する事で、これら貴重な海上輸送能力の一部を確実に利用可能にする事になるでしょう。

荷揚げオペレーションに必要な時間は天候、風速及びターミナル能力などの影響を受けます。

市場で傑出した存在感

Siwertellスクリュー型シップアンローダーは、同程度の能力のその他機器に比べ、数多くのアドバンテージがあります。船舶からの揚げ荷役に関しては、我々は機器の効率性を船舶の実荷揚げ能力とその定格能力と比較して定義しております。例えばグラブクレーンの場合、効率性は50 から60%程度となりますが、Siwertellスクリュー型シップアンローダーでは70%又はそれ以上の効率性を実現します。

また、逆回転式のインレットフィーダーが貨物内に投入された時点以降は、システムは完全密閉となり、ダストの放出または貨物粒の飛散が防止され、ターミナル施設又は海水が汚染される事はありません。この事は環境を保護する事のみならず、オペレーターが負担する費用を削減する事になります。

ターミナル能力を補強するもう一つの内容は共通運用性であり、これはSiwertellアンローダーが実力を発揮するもう一つ項目です。Siwertellアンローダーは正真正銘の多品種型機器です。同一の機器により、流動性の高い貨物及び凝縮性のある貨物の両方を取り扱う事ができます。

効率性での損失が伴わないこの貨物間での柔軟性は、現在の趨勢では特に重要となります。同一産業内で使用する極端に異なる物資を取り扱う良い例は、粉体のセメント及び極めて研磨性の高いクリンカーを取り扱うアンローダー又はローダーであり、バルクハンドリング機器に高い費用が必要となります。

2021年にBruks Siwertellはこれら対照的な貨物のハンドリング用としてカリブ海の新設セメント工場向けにSiwetellスクリュー型シップアンローダーの注文を受けました。完全密閉条件での物資搬送を行い、粉塵又は貨物粒飛散を防止し、クリンカーによる消耗に対し優れた耐久性を実現するものとなります。

対照的な貨物

極めて異なるハンドリング特性をまたぐ多品種取扱に関するもう一つの注目すべき例には、Formosa Plastics Corporation (FPC)社で使用されているアンローダーがあります。FPCは現在まででSiwertellスクリュー型シップアンローダーの最も大口の顧客であり、最近2台の640 D型アンローダーを発注した事により、Siwetellシップアンローダーの合計保有台数は13台となりました。2台1組の新規のアンローダーは2022年末に稼働開始を予定しております。

FPCのSiwertellシップアンローダーのポートフォリオでは、9台が石炭のみの荷役に使用されており、2台が石炭及び原塩、及び新たに納入される2台は原塩のみを取り扱い、台湾の高雄港内のターミナルで運転されます。

アンローダーにとっては、原塩及び石炭の組み合わせは特に複雑です;原塩は腐食性が強く貨物艙内で固く凝縮し、石炭には別の独自の問題があります。様々に及ぶ品種及びその水分量により、濡れた粘性のある塊として港湾にしばしば到着する事があり、研磨性があり、また固く凝縮する事があります。Siwertellアンローダーはこれら全ての問題を解決しながら、極めて高い能力を維持できる実力を持っております。

道路移動又は港湾移動型の小型システムから、例えばベトナムSon Duong港のハティン製鉄所で2,400 t/hで石炭専用に取り扱うSiwetell ST 940-DOBs型のような極めて大型のレール移動型ユニットに至るまで、全ての機器は複数貨物間の切り替えをシームレスに行う事ができ、オペレーターに処理能力増強の利益をもたらす事ができます。

これはまた、柔軟な投資が必要となる石炭からバイオマスに転換する発電設備にとっても重要です。デンマークのオペレーターであるオーステッドは、同社のアベズエーア発電所での混焼用に高能力のSiwertell ST 790-D型アンローダーを発注しました。2013年に石炭ハンドリング用として稼働を開始致しましたが、オーステッドはその後プラントを全てバイオマス燃料に転換しております。

エンドからエンドへのソリューション

Bruks Siwertellはドライバルクハンドリングのサプライチェーンのあらゆるポイントで存在します。例えば、アメリカでバイオマスを積み込むシステムがあり、それをイギリスで荷揚げするシステムが別個に存在します。

貨物の積み込み及び荷揚げとも、効率性があり環境性がある事が必要です。オーストラリアのワイアラ港ではSiwertell SBL 1600 TL型シップローダーが、前Arrium Mining 社であるGFG Alliance社により使用されており、鉄鉱石を4,200 t/hの能力で積載しております。この能力では、典型的なパナマックス型バルク船舶を24時間以内に満載する事ができます。

しかしこの大容量の機器は、Bruks Siwertell社が提供できる最も大型のものとは程遠いものとなります。Siwertellの高能力型ローダーは鉄鉱石を12,000 t/hの能力、又は石炭を8,000 t/hの能力で取り扱う事ができます。鉄鉱石は世界で最も大型となるバルク船舶により輸送される事があります。理論的には、180,000 dwt程度のケープサイズ船舶では20時間以内に積載を完了させる事ができます。但し連続的に12,000 t/h能力で積載する場合、このような高い積載レートに対する船舶のバラスト調整を同時に考慮する事が必要となります。

ドライバルク市場で頻繁に発生する取り扱い量の急増に伴い港湾が処理能力の強化を望む場合、能力増強の要請があればいつでもBruks Siwertellは対応する準備があります。

能力増強と共に、我々のシステムは不必要な操業上の無駄を無くす事ができます。これには貨物粒の飛散によるカーゴロスを無くす事、船舶の滞船時間を減らし岸壁の利用効率を増加させ、積み荷又は揚げ荷のために待機する船舶に掛かる膨大な費用を減らす事などが含まれます。

我々の市場最小型のシステムにより得られる利益は、最大規模となります。我々の積み荷及び荷揚げ用システムは正に市場を先導する能力を発揮し、市場の要求に対応するテーラーメイドのソリューションを御提供する事ができます。

Siwertellアンローダーは効率性に影響を与えずに貨物を切り替える事ができます。

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