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AUMUND NEWS 3//2021 - Products. Projects. Progress

AUMUND FÖRDERTECHNIK

特別な機能を備えたバケットエレベーター

代替燃料の垂直搬送での最良の選択肢

現在世界ではセメント生産、製鉄及び発電が最もエネルギー消費の多い産業の3つであり、そのプロセスにおいて高い比率での化石燃料を使用し続け、環境に悪影響を与える大量の二酸化炭素を排出しております。これらの産業は、二酸化炭素排出を低減を目的とした日々厳格性を増す現地又は国際的な規制への適合を強く求められております。代替燃料はこれらの目標を達成させる上で重要な役割を果たしており、この将来性の高い分野に対しAUMUNDは戦略的な活動計画を集中的に策定しました。

EUレベルでは、”欧州グリーンディール”が持続可能なEU経済への道筋とみなされております。このコンセプトの優先目標は2050年までに温室効果ガスの実質排出量をゼロにし、従いEUがカーボンニュートラルとなる事です。グリーンディールの最も重要なイニシアティブの一つが2020年3月に導入された気候保護法です。これにより2030年までに、1990年と比較して、CO2の排出量を50から55%削減する事がEUに求められております。目標達成には、燃料消費の激しい産業において、あらゆる種類の廃棄物資を代替燃料として使用する事の重要性が増すものと言えるでしょう。

環境とテクノロジーの融合

代替燃料は2つのグループに分ける事ができます。第一にバイオマスであり、ウッドチップ、ウッドペレット、ヒマワリの種、ココナッツ殻、廃棄麦わら又は干し草、下水スラッジなど数多くのもので構成されております。これらのバイオマスは、燃焼の際に成長又は生成の過程で必要としたCO2を大気中に再放出するものであり、カーボンニュートラルとみなされます。 二番目のグループは、プラスティック、タイヤ、廃棄医療物資、裁断された紙、骨粉、布製造からの廃棄物などから構成されます。数多くの国ではプラスティックをそのまま処理する事が認められず、また再利用できる可能性が少ないため、プラスティックが適当な代替燃料となります。 セメント産業では特に適した工程があり、高温プロセスにより炭化水素の長い結合を壊す事ができますが、通常の場合、結合の破壊に焼却プロセスが必要となるため、人体に有害な物資が生成される事となります。

市場からの要請に対応できるAUMUNDの技術

AUMUNDグループには幅広い製品があり、1,000台以上の機器を世界各地での代替燃料のハンドリング又は搬送用として納入しております。バルク物資の垂直搬送用として、AUMUNDグループではベルト及びチェーン型のバケットエレベーターを60年以上に渡り製作しており、現在までの製作台数は10,000台に近づいております。また、代替燃料用として特別に設計されたバケットエレベーターの台数が多数に及んでおります。

長年に渡りAUMUNDのバケットエレベーターは、その高い品質、強度及び信頼性から、様々な物資に対する効率的な垂直搬送用機器として、産業標準製品となっております。一般的に、AUMUNDのバケットエレベーターは遠心排出方式及び重量排出方式の組み合わせにより設計されます。純粋な重量排出型のバケットエレベーターもグールプの製品レンジ内に存在しますが、代替燃料のハンドリングにおいてはマイナーな役割のみを果たします。従来型のバケットエレベーターが、設置面積、投資及び運転費用の面から最適なソリューションである事が判明しております。

ベルト型又はチェーン型バケットエレベーターの選択は、搬送される物資の特性に基づくものとなります。ベルト型バケットエレベーターは細粒、低温、腐食性の高い物資又は油分を含まない物資に推奨されます。その他の範囲、すなわち粒が大きく、高温、研磨性が高い又は油分が多い物資には、チェーン型バケットエレベーターが使用されます。また、両方のタイプのバケットエレベーターには様々に異なるバケットを装着させる事ができます。標準のバケットは軟鋼から製作され、非常に粗い物資の場合には、補強プレート又は強化リップにより補強する事ができます。極めて研磨性が高い物資には、バケットの寿命を長くするために、HARDOX又は同等の素材から製作されるライナーが装備されます。

 

AUMUNDチェーンバケットエレベーターBWZ型、AUMUNDベルトバケットエレベーターBWG型 ©AUMUND

ステンレス製バケットエレベーター

ステンレス鋼から製作されたバケットは、粘性又は凝縮性のある物資に対し良好な結果をもたらします。粘性又は凝縮性のある物資に関しては、AUMUNDがラバーベースを装備するバケットを開発した事により更に一段階進歩しております。

物資の特性から、極めて粘性の高い物資はバケットから完全に吐出される事が無い傾向があり、結果的にバケットの全ての容積を使用する事ができなくなります。この状態で使用を続ける事は、バケット内の物資の滞留が増加し、バケットが完全にブロックされる結果をもたらします。設計段階ではどの程度の物資がバケット内に滞留するか算出する事が困難であるため、過去においては幅広い構成部材から最適なサイジングを行う事が困難でした。この問題を解決するため、バケットの底部に様々な繊維型ベルト又はゴムプレートエレメントを使用したバケットのテストが行われましたが、現在まで十分な結果が得られておりません。

AUMUNDの工場内のステンレス製バケットエレベーター、BWG型 ©AUMUND

ラバーコート製バケット

その後AUMUNDはエラストマー製品のサプライヤーと共同して、特殊なバケットベースを開発致しました。この種類の素材を使用する利点には、高い柔軟性、強靭性、化学物資に対する高い耐性及び温度変化又は気候条件からの影響に耐え得る事、といった事があげられます。

プロトタイプ製品で良好な結果を得た後、ドイツ国内のセメントプラントに10台の試験用バケットがテスト用として装着されました。少量の粘性のある物資がバケット内に付着しましたが、バケット底部のコーナー部又は側壁部に物資の残留分が堆積する事はありませんでした。この結果、本来のバケットの有効容積が維持でき、容積の減少量は極めて僅かである事が判明しました。これに加え、バケットの自律清掃効果が実現できる利点があります。2019年の中頃に日本国内で完全なゴム製ベース型バケットを装備したバケットエレベーターのコミッショニングが行われ、1年絆経過した現在でも問題無く稼働を続けております。

バケットエレベーターを使用して代替燃料を搬送する際に、特別に設計されるのはバケットのみではありません。粘性又は粘着性のある物資の堆積を避けるため、ケーシングもまたステンレス鋼による製作又は内部のコーティングが施される事になり、ケーシング内のバケットの自由動作が損なわれないものとなります。この設計方法では、バケットエレベーター内の温度が酸の露点より低いといった、酸の濃縮を引き起こし易い条件であっても、ケーシングを腐食から保護することになります。また、投入及び吐出シュートがあらゆる条件下で正しい物資投入及び吐出が維持できるように設計される事で、ブート部への物資の飛散が回避される事となります。

ゴム製ベースを装備したバケット ©AUMUND

綿状の廃棄物を搬送するバケット ©AUMUND

低能力型バケットエレベーター

セントラルチェーンを装備するバケットエレベーターには、通常ドライブリングが装備され、リング上でチェーンを3ポイントでサポートする設計方法が採用されております:この場合ブッシュ部で1箇所、チェーンリンク部で2箇所のサポートを行う事となります。一方で極めて低能力のバケットエレベーターでは、より早い速度による摩耗の低減及び低い動荷重を実現する設計が採用されております。脂分、オイル又は水分量の高い物資を搬送する場合には、歯車型のリングが設計方法に組み込まれます。通常のドライブリングでは、チェーンとリングの摩擦を低下させる、リング上に潤滑膜を発生させる脂分又はオイルに対し不適切となります。歯車型リムによるソリューションは、バケットの満載条件での起動及び機器の連続運転を確実にするため、信頼性の高いものとして実証されております。

ベルトバケットエレベーターでもまた代替燃料物資用に改良されております。標準型のドライブドラム用フリクションライナーはゴムとなりますが、セラミック製ライナーは高い水分量の物資の搬送、及びより短い中心間距離のといった点が利点として実証されております。セラミック製ライナーは水分又はその他の影響要因に対し高い抵抗力があり、摩擦係数を上昇させる結果をもたらします。

より早い速度での搬送

物資特性に基づき、異なったドライブリング径を選択する事又はモーターに周波数コンバーターを採用する事により、搬送速度の調整を行う事ができます。代替燃料の種類は多く、しばしば案件の初期段階では物資の流動特性が不明である事があります。また研究所のテストでは、実験できるサンプル量が少ないため、予測される流動性向の概要のみの取得に留まります。これらの不確実性を克服するため、物資の実際の特性及び流動性向に沿って特定的な調整が可能な周波数コンバーターの使用が効果的となります。物資投入率の許容限度に関しても、最大の粒サイズに基づいて調整でき、物資の安定的な投入及び吐出が実現できます。

ATEXへの適合

いくつかの代替燃料では特定の条件で爆発の危険性がある場合があります。セントラルチェーン型及びベルト型バケットエレベーターの両方に関し、AUMUNDはATEX zone 21での0.5 barの過圧条件に基づいた防爆設計を提供しております。ケーシングは特別に強化され、適切な数の破裂板が装備される事になります。また全てのセンサー及び電気機器はATEXに基づいて設計される事になります。これらの仕様に対応した証明書を御提供する事になります。

まとめ

産業用機器の製造に携わった90年以上の間、AUMUNDは搬送技術の先駆者として活動しており、バルク物資の搬送又は貯蔵が必要な様々な用途に対し、高い技術水準及びソリューションを提供してきました。AUMUNDのバケットエレベーターはテーラーメイドのカスタム設計された製品であり、増加し続けるプラント及びプロセスの必要条件に対し継続的に開発を続け、高い実力、柔軟性及び長期の耐用時間と共に、優れた利用効率性を御提供しております。

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