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AUMUND NEWS 1//2023 - Products. Projects. Progress

AUMUND FÖRDERTECHNIK

直接還元での搬送技術

鉄生産プロセスでの信頼性の高い接点

焼結鉱プラントのパンコンベア ©AUMUND

高温で摩耗性の高いバルク物資用のAUMUNDの搬送機器は、鉄生産プロセスでの重要なステージ間を接続します。直接還元プラントでは高温のDRIを直接電気炉へ搬送する事ができ、焼結鉱プラントでは1,000℃に及ぶ物資を搬送する事が可能です。HBI又はペレットは、冷却コンベア上で100℃まで冷却させる事もできます。AUMUNDの搬送機器は物資搬送ルート全体に及ばせる事ができ、その技術はエネルギー節減又は排熱の再利用に貢献する事ができます。

製鉄産業に対しAUMUND Fördertechnik社は世界中で700以上の納入事例があり、その実力を明らかにしております。用途に対し正確に計画、統合され、その技術はプラント全体に効率性の増強をもたらす最適化された搬送技術となります。オペレーターのエネルギーコストを著しく削減する事(溶鋼トン当たり120から150kWh)のみならず、EAFへの直接投入の場合の様に最大20%の生産性向上に貢献できる事が実証されております。AUMUNDの冶金部門のセールスダイレクターであるMatthias Moritzは「冶金分野でのより洗練されたプロセスを目的とした我々の長年のエンジニアリング実績は、プラントオペレーターが実感できる製品品質の向上をもたらしています。」と要約しております。

高温のDRIの搬送技術 – ヒートロスがほとんど発生しない物資搬送

直接還元プラントと製鉄プラント間の連続した高温物資搬送の運転が開始した最初のプラントは中東に所在します。AUMUNDの直接装入技術は、従来的な高炉の開閉動作にともなうヒートロスの発生を防止するのみならず、より短時間でのタッピングプロセスを実現します。

バケットを使用した従来的な装入方法とは逆に、断熱されたAUMUNDコンベアは密閉型システムであり、電気炉に連続した物資フローをもたらす事ができます。800℃に及ぶDRIはMidrexシャフト炉からEAFへの装入ポイントまでコンベアにより運ぶ事ができます。

中東でのDRI用搬送機器 ©AUMUND

直接装入用途にはAUMUNDは断熱型のバケットエプロン型コンベアを使用します。DRIを不活性環境で搬送し、外気との接触を完全に遮断する事で、再酸化を防止する事になります。空気搬送コンセプトと比較した密閉型システムの利点は、動力消費が著しく少なく、保守の必要性を低減させる事です。AUMUNDの機器は自動化されており、センサーがコンベア上の物資の温度及び状態を監視します。フィルターシステムを装備した設定箇所からの吐出が行われるまで、シール構造が搬送システムへのダストの侵入を防止する事になります。

コンベアシステムの形状は、プロセス及びバルク物資に対する能力に合わせて調整する事ができます。1,000℃までの物資温度であれば問題無く運転でき、コンベアの傾斜角は60°まで設定する事ができます。高温のDRI用に設置されたバケットエプロン型コンベアの最高搬送高さは現在までに110mとなっております。「機器の搬送高さ及び搬送能力は、チェーンの強度のみによる制限を受けます。」と冶金部門のシニアマネージャーであるFrank Reddemannは述べております。「我々のチェーンではチェーン当たり最大3,000キロニュートンの引っ張り強度があります。AUMUNDは自社の搬送システム用に特別にチェーンを開発しております。」

中東での直接還元プラントの場合では、搬送能力は250 tph、搬送高さが47 m及び傾斜角が34°となります。プラントは現在まで15年以上運転されており、搬送機器に関連した大規模な設備休止はありません。高温のDRI用のAUMUND機器は、シャフト炉、ロータリーハース炉又は流動床プロセス用として韓国、エジプト、インド、アルジェリア及びその他中東の国々で導入されております。

特許が取得された冷却システムを装備したHBI搬送機器

HBI(ホット・ブリケット・スポンジ・アイアン)の搬送及び冷却用途では、欧州の製鉄所で5台の冷却型コンベアが導入を予定しております。機器は256 tphの搬送能力があり、物資をゆっくりと750℃から100℃まで冷却します。

HBIの冷却用にAUMUNDは特許を取得した冷却プロセスを採用しております、この設備での水の使用量は極めて少量となっております。ブリケット化後に最高900℃に及ぶHBIはコンベア上に均等に投入されます。設定された距離を搬送中、冷却は水分ミストにより行われ、これにより熱の発生を拡散させるものとなります。冷却型コンベアの形状及び蒸気の発生量は、プラントの能力に正確に合わせて設計されます。密閉型システム内の水分蒸気は不活性保護環境を創出し、HBIの再酸化を防止する事になります。

屋外に設置された冷却システムを装備する密閉型コンベア ©AUMUND

水槽を使用した従来的な冷却方法と対照的に、水分蒸気による冷却はより効率的で、水の必要量が劇的に低減し、機器に対する温度疲労が少なく、また必要設備が少なくなります。物理的に不可避的な不足分を除き、水はプロセス内へ再投入されます。従いAUMUNDの搬送機器はクリーンなソリューションを実現するのみならず、熱効率及び水分消費といった観点からの持続可能性を提供する事になります。

外気を使用するパンコンベア上での冷却(ゆっくりとした冷却)では、排気ガス中のダスト及び細粒を低減させ、製品の品質に積極的な効果があります。冷却ラインの末端部で追加の乾燥ラインを設ける事で、物資内に最終的に滞留する水分を取り除く事ができます。100℃以下に冷却された物資は、後続のプロセス又は中間貯蔵へと送られていきます。

AUMUNDのHBI搬送システムは300tphまでの搬送能力に適しております。これらの機器はベネズエラ、韓国、ロシア及びアメリカで稼働中です。「搬送技術での最終設計は常にテーラーメイドとなり、固有の条件に合わせた独立したコンセプトが採用されます。計画段階でAUMUNDの専門家の意見を早期に聞く事は、経済的に持続性のあるソリューションを確実にする事になります。オペレーターは我々のコンパクトな搬送システムでの信頼性の高さ及びその低い運転コストを賞賛しております。」とFrank Reddemannは述べております。

HBIの搬送及び冷却 ©AUMUND

DRIの搬送、冷却及び投入でのAUMUNDの適用例 ©AUMUND

焼結鉱及びペレットプラント用の搬送システム

振動型コンベアはしばしば焼結鉱プラントでの吐出エリアで使用されております。仮に既設の設備に改修がある場合、現在の安全及び騒音に関する規制から、このコンベアに対する修正作業が必要となることでしょう。

更にオペレーターでの問題は、摩耗の発生に対しトラフの交換が必要となる事であり、この作業はプラント全体を停止させる事となります。

クーラーの後に、後続プロセスへの搬送用としてベルトコンベアが多く使われますが、クーラーから吐出される焼結鉱の温度は年々上昇傾向にあり、ベルトの交換作業をより頻繁に行う事が必要となっております。

AUMUNDのパンコンベアは焼結プラントから焼結鉱をリングクーラーへ約1,000℃の温度環境で搬送します。パンコンベアのオーバーラップ機構は、細粒状態又は粒サイズが250 mmまでの物資の連続搬送用に設計されており、高温の焼結鉱粒に分解が発生する事はありません。焼結鉱の冷却に水は必要とならず、振動型コンベアに比べてAUMUNDコンベアは低いノイズレベルを実現します。パンコンベアは焼結鉱の搬送用途に適した最適化された特性を持ち、プラントの老朽化又は腐食の発生に対しても強靭に稼働するものとなります。コンベアは時間当たり最大1,500トンの能力で焼結鉱を搬送する事ができます。

「既設の焼結鉱プラントを改修、最適化する事は、プラント能力を著しく改善する事となります。」Matthias Moritzは述べております。「鋼製のパンコンベアは非常に高温で摩耗性の高い焼結鉱物資を安定して搬送します。AUMUNDのコンベアには10年以上運転を続けているものもありますが、保守の頻度は極めて少ないです。」特に焼結機又はリングクーラーの新鋭化の際には、既設及び新設の設備の間を接続するコンベアが重要となります。本用途でのAUMUNDの搬送システムは、ドイツ、オーストリア、オランダ、日本、ロシア及びその他の国々で稼働しております。

その使用年数及び状態といった観点から、同様のシナリオはペレットプラントで見受けられ、標準的にベルトコンベアがクーラー後に使用されておりますが、本来100℃までの物資温度に対応して設計されており、近年のプラント全体の能力増強傾向から、600℃に及ぶ温度に対応する事が必要となっております。結果的に短期間での消耗の発生が問題となります。「AUMUNDのパンコンベアはベルトコンベアによる物資搬送に対し、より安全な選択肢となります。設備休止による費用の増加を防止するものであり、正しい搬送システムを選択する事は極めて重要です。」とMatthias Moritzは述べております。

原料の搬送及び貯蔵用のシステムとしてAUMUNDは全ての範囲で製品を取り揃えており、原料加工及び鉄生産の全てのプロセスにわたる用途に対し最適化された技術を御提供する事ができます。

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